新規開拓営業とは?方法と成功するコツ!

営業に携わるビジネスパーソンが避けては通れない「新規開拓」
重要なことはわかっていても、苦手意識がある方も多いと思います。
今回は「新規開拓」について、その必要性や具体例、さらには成功するコツを解説していきたいと思います。
新規開拓に苦手意識がある方だけでなく、営業成績を伸ばしたいという方も是非ご覧ください。

新規開拓とは

これまでに取引の無かった顧客や市場に、新たにアプローチを行うことを指します。
新規開拓においては、潜在的なニーズを引き出すことが重要となっており、既存のアプローチ方法だけでなく、新たな手法を取り入れることも有効になることがあります。

新規開拓営業のメリット(必要性)

この章では、新規開拓営業のメリットについてご紹介していきます。
ただやみくもに取り組むだけでなく、どのようなメリットがあるのかを理解したうえで取り組むことで効率があがります。
なぜ、新規開拓が必要なのか?自分にとってどのようなメリットがあるのか?を意識してみてください

 売上が上がる

新たに売上の確保ができる面を広げることで、既存の売上にプラスで売上に繋がります。

 顧客が増える

新規開拓を行うと、新たな顧客の確保にも繋がります。
これまでにアプローチをしてこなかった層などにも提案する機会が増え、営業を行うフィールドが広がります

 営業マンのやる気がでる

新規開拓となると苦手意識が先に出る方も多いかと思いますが、実際に自分の顧客が増えることは自分のやる気に繋がります。
今日は「○○件アプローチをするぞ」や今月末までに「○○件新規顧客を増やすぞ」など、具体的な目標ができ、普段の仕事にメリハリを持つことができます。

新規開拓営業の具体例

ここからは、新規開拓を行う際のアプローチ方法、またその手法を使うメリットもご紹介していきます。

テレアポ

電話を使用し、顧客や企業に対し直接呼びかける手法

【メリット】

  • 直接商品を購入する顧客や専任の担当者にダイレクトにアプローチをすることができる。
  • 具体的な使用法や一番売り込みたい点などを伝えることができるため、既存顧客へのアプローチに近い営業ができる

【デメリット】

  • 商品の話を聞く前に断られてしまうことがある(成功率はBtoBの場合は、約1%)
  • 担当者に繋がる前に受付で断られることがある

【成功率をあげるコツ】

  • 元気よくハキハキとした口調で電話をかける
  • 事前にリストを作成し、1日の目標を決めてコンスタントに電話をかける
  • 忙しい時間帯は避ける

→個人:夕方
→企業:朝礼の時間、昼休み、退勤時間

訪問営業(飛び込み営業)

新たな顧客や取引のない事業先を訪問し、商品やサービスの提案を行う方法

【メリット】

  • 直接顔を合わせて商談が行えるため、リアルな相手の反応が見れる
  • 相手に印象付けるプレゼンテーションができる
  • まだ取引のない顧客や企業から求められるものがフラットな目線で見れる

【デメリット】

  • アポイント無しで飛び込むため、担当者不在の場合や商談の時間が取れない場合がある
  • 「不信」の壁が高く、とりあえずチラシだけ…などとプレゼンテーションが出来ないままになることがある

【成功率をあげるコツ】

  • 1日に訪問する範囲を決めて(企業の大小や職種に関係なく)1件ずつ訪問する
  • 訪問先(特に個人)では、最初に身分を証明する
  • とりあえず話を聞いてくれた相手にはセカンドアプローチができるように準備しておく (サンプルの回収や、使用した時に感じた不満点に関するアンケートなど)

メール営業

メールを利用し、潜在的な顧客や取引のない事業所にアプローチを行う方法

【メリット】

  • 一斉送信が可能なため、1件あたりにかける時間の短縮に繋がる
  • 資料の添付ができるため、より多くの情報提供ができる
  • セカンドアプローチ時には、興味のある企業や個人が対象となるため成約率が上がる

【デメリット】

  • 迷惑メールフォルダへ振り分けられる可能性がある
  • 緊急性が低いと判断され、レスポンスが遅くなる
  • 文字のみのやりとりが続くため、誤解を招く可能性がある

【成功率をあげるコツ】

  • 丁寧な文章を心がける
  • 返信した際に使える期間限定のクーポンなどを提示し、アクションをしてもらえるように工夫する
  • 定型文だけでなく、送り先などのメリットになる情報などを添えた工夫を入れる

問い合わせフォーム営業

自社HPの問合せフォームを利用し、問合せのあった顧客や企業へのアプローチを行う方法

【メリット】

  • 自社商品やサービスに対して興味のある状態でのアプローチとなるため、ニーズや改善案などのヒアリングを行いやすい
  • 問合せの内容をデータを活用することで、求められている課題が可視化できる
  • 非対面での営業活動が可能

【デメリット】

  • HPを閲覧した人のみのアクションとなるため、データ内容に偏りがでることがある
  • アプローチできるターゲットが限定的になる
  • 問合せと悪質なクレームとの切り分けが必要

【成功率をあげるコツ】

  • フォーマットにこだわる
  • レスポンスの速度を意識する
  • 問合せのフォローを入れつつ情報提供をする

手紙営業

対象となる新規顧客や事業者に手紙を送り営業を行うスタイル

【メリット】

  • メール営業に比べ、手に取って見てもらえる確率があがる
  • デザインが自由なため、自社商品のメリットや利用のシーンなどが具体的に表現できる

【デメリット】

  • 送り先の住所を調べる必要があるため、手間がかかる
  • 印刷のコストなどがかかり、費用対効果が少ない懸念がある

【成功率をあげるコツ】

  • 配色の効果などを利用することで、他の郵便物に埋もれない様に工夫する
  • クーポンや特典などを付けて保管してもらうようにする
  • 一筆でもよいので、手書き文を沿える

SNS運営

Instagram、TwitterなどのSNSを利用し、コミュニケーションを図りながらアプローチをする方法

【メリット】

  • リアルタイムで自社商品やサービスの状況を共有できる
  • 不特定多数へのアプローチが可能で、他の営業スタイルでは発掘しにくい層の新規顧客に出会える機会が増える

【デメリット】

  • 情報の回転が早く、次から次へと発信することが重要となる
  • フォロワー数の確保が難しく、数が少ないうちは発信に影響力が少ない

【成功率をあげるコツ】

  • SNSマーケティングを行い効果的な発信方法を構築する
  • 自社の情報ばかりではなく「ためになる発信」も交えて発信し、コアなファンを確保する

WEBサイト集客

自社ホームページをを活用し、検索エンジンやリンクなどから顧客を流用しアプローチする方法

【メリット】

  • 自社ホームページになるため、商品やサービスの詳細まで多くの情報を発信することができる
  • 24時間365日アクセスが可能となっており、一度ホームページを構築するとアクションを起こさなくても宣伝効果がある

【デメリット】

  • 外注の場合は高額なコストがかかる
  • 定期的なメンテナンスやセキュリティ対策などを行う必要がある
  • SEO対策(検索エンジン最適化)が必要

【成功率をあげるコツ】

  • コンテンツを充実させる
  • SNSと連携をし、定期的な発信を行う
  • アクセス解析を行い、定期的に改善する

Youtubeの活用

Youtubeを利用し、顧客へアプローチする方法

【メリット】

  • 自社製品のデモ動画を作成するなどし、具体的な使用例をイメージさせることで購買意欲につながりやすい
  • 1度作成すると形として残り、長期的なブランディングができる

【デメリット】

  • 動画製作にあたり、費用と時間がかかる
  • 低品質な動画では、ブランドイメージが下がったり、視聴者が途中離脱する可能性がある

【成功率をあげるコツ】

  • 視聴者(ターゲット)のニーズに合わせたコンテンツにする
  • コンテンツの拡散や積極的なコミュニケーションを図る

広告運用(リスティングなど)

SNSを主とした広告掲載し、新規顧客にアプローチする方法
(GoogleAdWords、Facebook、instagramなど)

【メリット】

  • ROI(投資利益率)の高い集客が可能
    ※費用対効果がよい
  • ターゲット層を限定することで実績に速攻で繋がる

【デメリット】

  • 広告費用がかかる
  • 同業他社の広告も同時に掲載されるため、比較として利用されることがある

【成功率をあげるコツ】

  • ターゲットを詳細に分析する
  • 効果測定と改善をこまめに行う

●セミナー・交流会参加

対面でセミナーや交流会を行い新規集客を行う方法

【メリット】

  • 目的にあった人脈を広げることができる
  • その場で商品やサービスを体験できることで信頼が増す

【デメリット】

  • 参加費や交通費がかかることがあり、顧客側に負担が生じる
  • セミナーや交流会を行うための、準備する時間がかかる

【成功率をあげるコツ】

  • 参加目的を明確化させる
  • 自社の強みをアピールし、他者との差別化を図る

オンラインセミナー開催

オンライン上でセミナーを行い集客を行う方法
(Zoomなど)

【メリット】

  • 会場使用料や参加者の交通費が不要なため、普段関われない多くの集客が見込める
  • 録画や配信を利用し、記録として残すことができる

【デメリット】

  • 参加者を募るために労力を要する
  • 配信環境によるトラブルや、伝えたい内容が充分に伝わらないことがある

【成功率をあげるコツ】

  • 質の高いコンテンツを提供する
  • 集客のプロモーションを工夫し、参加者へのフォローアップを行う

リファラル営業(紹介営業)

既存の顧客から紹介をもらい、新規開拓を行う

【メリット】

  • 紹介を通じてのアプローチなので、信用されやすい
  • 顧客開拓のコストが抑えられる

【デメリット】

  • 紹介先を指定することができないため、新規獲得に結びつかないことがある
  • 紹介を断られる懸念がある

【成功率をあげるコツ】

  • 既存顧客のサービス満足度を上げる
  • インセンティブなどを用意し紹介するメリットを作る

代理店開拓

自社の商品やサービスを販売してもらうように代理店を募集する方法

【メリット】

  • 代理店を活用することで、直接営業する手間が省ける
  • サービスの普及のスピードが早くなる

【デメリット】

  • 代理店との契約や手続きなどに、時間や費用がかかる
  • 自社ブランドのイメージを損なわないように商品教育が必要になる

【成功率をあげるコツ】

  • 代理店へ定期的に販売手法の教育やサポートの提供を行う
  • 代理店の管理を徹底する

営業代行サービスの活用

営業代行サービスに既存顧客への営業を行ってもらい、新規顧客の開拓に集中する方法

【メリット】

  • 新規顧客の開拓に専念できるので、効率が上がる
  • 営業代行サービスからのノウハウを学べる

【デメリット】

  • 既存顧客への営業実績が下がる可能性がある
  • 費用対効果が低くなることが懸念される

【成功率をあげるコツ】

  • 実績のある営業代行サービスを選ぶ
  • 自社の商品やサービスの強みを明確に伝え、ブランドイメージに沿った営業をしてもらう

新規開拓営業が難しい理由

ここまでは、実際に使える新規開拓営業について触れてきました。
しかし方法はわかっても、新規開拓営業の難しさの根本を理解していないと効果が現れません。
新規開拓営業が難しいと言われる原因を把握することが、実績作りの第一歩となります。
ここからは、新規開拓営業が難しいと言われる理由についてご紹介していきます。

相手のニーズを理解していない

新規開拓営業でもっとも難しいと言われる理由は「相手のニーズを理解していない」と言われる点です。
初手のアプローチの際に相手の求める情報や提案ができない場合は、二度目のチャンスが巡ってくることはありません。
やみくもに提案を行うのではなく、事前にリサーチを行ったり、企業や顧客の特性を調べることが重要となります。

相手は貴方のことを知らない

新規開拓営業でネックになってくる最初の課題は「相手に自分のことを知ってもらう」ことです。
何者かわからないうちは、どんなに良い商品やサービスであっても「不信感」が邪魔をし商談することができません。

なぜ、この商品を勧めるのか?なぜこのサービスが必要なのか?という明確な目的を伝えることでだけでなく、自己開示を行うことも重要なアクションとなります。

興味を持たない

どれほど自信のある商品やサービスであっても、相手に興味を持たれないと商談は進みません。
最初から商品やサービスを売ることを目的とせず、相手のニーズに合わせた提案を行ったり、有益な情報を提供するなどをして信頼を得ることが成功の秘訣です。

決裁者に会うまで時間がかかる

企業によっては、決裁権を持つ人以外に商談をしても時間ばかりかかり、なかなか望むような展開になることができない場合があります。
事前に決裁権のある人物を把握し、アポイントを取るなどし効果的な商談を行うことで進展を早めることができます。

新規開拓営業のコツ

ここからは、先ほど紹介した新規開拓営業が難しいと言われる理由で取り上げたコツを更に深堀りして、即戦力となるポイントを解説していきます。

顧客の業界や事業内容を事前にリサーチする

顧客の携わる業務だけでなく、業界全体の事業内容まで含めた事前のリサーチを行うことで、ビジネス全体の知識が深まります
商談を行う際に相手のビジネスを表面的にしか理解できていない場合、返答に困ったり信頼を得ることが難しくなります。
重箱の隅を楊枝でほじくるようなタイプの人間と商談することを想定し、抜けのないような知識を携えていくとよいでしょう。

レスポンスは早く

見込み客の中には相手を試そうとする人も多くいます。
困りごとを伝え「どのように解決するのか?」「どのような代替案を持ってくるのか?」など相手の出かたによって今後の商談を進める基準とする場合があります
その時に最も重要になってくるのが、その解決法や代替案を提示するスピードだと言われています
時間がかかって提示した100%の答えよりも、スピード感のある80%の答えを持って顧客と共に解決法を見出すことも、時には重要となります
また、レスポンスの早さが必要になる場面は他にもあります。

「顧客が問題を抱えた時」です。

この時にレスポンスが遅い場合は信頼を得ることはまず難しくなります。
咄嗟に思いつく解決法がなくとも、原因を探る、どのような解決法が望ましいのか?などのヒアリングだけでも行うことをおすすめします。

メリット・特徴をしっかり伝える

人には「現状維持バイアス」という心の動きがあります。
現状維持バイアスとは…何かを変えて今よりも良い状態になることがわかっていても、損失を考慮し現状のままでいようとする心理のこと
この現状維持バイアスは時間が立てば立つほど強くなりやすく、結果的に損をするとわかっていても新しいことを行うことを諦めてしまいます。
そのような状態を避けるためにも、メリット・特徴を言葉で伝えるだけでなく、可視化する(資料などにする)ことが重要です。
資料が手元にあることで、興味があることをたやさず公平な判断を促すことに結びつきます。

決済者目線を意識した提案

前章でも述べたように、最終的には決裁権のある人が判断を下すことが多くあります。
初手の営業では決裁権のある人と直接商談はできずとも、提案資料が決裁権のある人へ提出されることがあります。
その時に決裁権のある人の興味のあるニーズとズレが生じていた場合は、直接会って商談することは難しくなります。
商品やサービスの良さだけでなく、新たに導入することで「どのようなメリットが生まれるか?」という提案を、決済者目線を意識した提案を行うことが商談をすすめる重要なポイントとなります。

KPIを設定し、PDCAサイクルを回し続ける

営業活動を円滑に進めていくには「目標の設定」と「振り返り」が重要となります。
ここでは「KPIの設定」と「PDCAサイクルを回す」という表現でご説明します。
KPIとは…Key Performance Indictatorの略で企業や組織の業績の評価指数
PDCAとは…Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Act(改善)の略で目標達成のために行う改善活動のことです。

【KPIを設定するメリット】

KPIを設定することで、目標に対し現状どこまで達成できているかが一目でわかります。
改善するための方法や方針を立て直すことができます。

【PDCAを回し続けるメリット】

KPIを設定し、見直しをする時に役に立ちます。
何が原因で上手くいかないのか?また何が原因で上手くいったのか?など取り組んだ成果を余すことなく見直すことで自身に適した営業法が見つかります。
このPDCAにおいて最も厄介なのが「見直したつもり」になってしまうことです。
特にCheck(評価)のプロセスにおいては、先を急ぐあまり安直な発想をしてしまい、結果的に答えが出ぬまま次のAct(改善)のプロセスに進もうとしてしまうことがあります。
そうなると、改善をしたつもりが全く効果がなく結局上手くいかないというループに陥ってしまいます。
先を急がず、比較すべきサンプルを十分に集め見直すことが大事です。

それでも上手くいかない場合は「代理店開拓」を活用する

これまで、様々な営業形態や新規開拓営業を行うコツなどをご紹介してきました。
しかし、この記事を読んで下さっている方の中には色々試したが上手くいかなかったという人も少なからずいるでしょう。
そんな時に、速攻で改善を行う方法として新規開拓営業の具体例でもご紹介した「代理店営業」を活用することをおすすめします。
代理店営業を取り入れるには契約や手続きなどに時間や費用がかかる点や、自社ブランドのイメージを損なわないように商品教育が必要になるというデメリットもあります。
しかし、それ以上にメリットが大きいため多くの企業で採用されている手法です。

【具体的な代理店営業のメリット】

ここでは、既出のメリットは割愛します。
他にも以下の様なメリットが存在します。

  • 自社にはない営業のパイプを持っており、今まで以上に面を広げたアプローチができる。
  • 代理店独自に構築した販売手法を活用できる。
  • 第三者目線で自社商品や営業法を見ることができ、改善点に気づく

最後に

ビジネスの世界は刻一刻と変化をしています。
少し手厳しい意見を申し上げると、ここでご紹介した方法でも業績が伸びない、開拓先が増えないという場合は「営業方法」そのものを見直す必要が出てきます。
しかし、今まで積み上げてきたご自身の営業方法を一から見直すというのは中々に難しいことでしょう。
そうなった時、皆さんが持つ選択肢は2つです。

  1. 原因の特定や改善すべき事を先に延ばし、気合いで乗り切る
  2. 根本的な見直しを図り、新たな手法を取り入れてみる

その瞬間の営業成績は同じだとしても、どちらが永続的に結果を残せるかは皆さまの方がよくご存知ですよね?
後悔しないビジネスパーソンとして生きていくためにも、「代理店開拓」(スクラップアンドビルド)できる柔軟な対応をご提案させて頂きます。
これからの皆さまのご活躍を心より応援しています。